ウーパールーパーの繁殖
成長半ばの当歳ウーパールーパーでも季節をきちんと感じとると雌はお腹を、雄は総排出口付近を大きく膨らませます。この膨らみで雌雄判断がつくほど明確に違いが見えてくるようになったら繁殖のできる合図です。当歳の雌での繁殖では産卵数が少なく、産経のあるしっかり成長した雌であれば多くの卵を産みます。
可能であれば水温が下がり始めた秋口に、雄と雌を分離させて繁殖に備えます。分離するのは常時ずっと一緒にいると繁殖行動になりにくいためです。こうして事前に分離をする事で繁殖のタイミングをコントロールしやすくなります。
雌は大量の卵を産むためきちんと栄養を与えることが必要です。栄養が偏らないよう、色々な餌をバランスよく与えて来るべき大仕事にむけてしっかり育ててあげてください。
繁殖をできるようにするには冬の寒さをきちんと体感させてあげる必要があります。ここでいう寒さとは、水温おおよそ5~10℃の間で2週間ほど。この期間をあえて作ってあげる事をクーリングといい、この期間を経る事で寒い冬から生活のしやすい春に向けて季節が変わっていくことを演出でき、雌雄とも体が繁殖に向けて変化していきます。
クーリング期間中には餌の量が減ります。そのため産卵をする雌の栄養補給は冬に入る前から計画的に行う必要があります。バランスよく色々な種類をローテーションさせて、気持ち頻度も上げて与えてあげてください。
繁殖は雄が雌の体の下にしきりに潜り込み押し上げます。雌は押し上げられるうちに繁殖に向けて切り替えていき、雄が総排出口から精子の含まれる精包という山のような形をしたものを底面に付けます。雌は精包を総排出口から取り込み受精します。
雌は受精卵となった卵を産卵するために、水草のような後ろ足でつかめるものに体を固定し、卵を固定できる粘着性を持つゼリー状の物質で1つづつ丁寧に固定していきます。エアレーション用のチューブなど卵を産む目標になるものを用意してあげましょう。固体差はありますが10時間程度かけて産卵を行います。
産卵が始まった時点で雄が邪魔をしないよう雄を退室させます。そして産卵後には雌が落ち着くのを待ってから卵と雌を分離しましょう。