個性を演出「フィルター」チョイス
フィルターは水槽の中の溝をろ過してきれいにしてくれます。これで日ごろのメンテナンスとなる水換えの頻度を減らすことができます。「ろ過」には2種類あり、“物理ろ過”と呼ばれる水の中のごみをフィルターで濾し取って除くろ過と、“生物ろ過”と呼ばれる水中のバクテリアを利用したろ過です。
フィルターを使ったろ過ではこの“生物ろ過”を実現するのが目的ですが、ただの水道水から生物ろ過を稼働させるためには1~3ヶ月もかかる根気のいる作業です。ここでは色々なタイプのフィルターをご説明します。
「壁掛け式」は文字通り水槽の外部側面にひっかけてろ過をします。吸水をして側面のケースに水を取り込み中のフィルターを通して水を満たし、あふれた水が水槽に戻る仕組みです。水槽の外に水を入れられるスペースを設けられるので水槽の中のスペースを邪魔することなくろ過をすることができます。
「上部式」はこちらも文字通り水槽の上にフィルターのボックスを設置して、水を上に送りフィルターを通して再度水槽内に水を戻します。壁掛け式同様に水槽内に設置するスペースが少ないので小さめの水槽でもいいのですが、販売されている数が一番多いのは60cm水槽用です。上部半分を常時占領してしまうのでメンテや餌やりが多少面倒になります。
「投げ込み式」こちらは実際には投げ込みません。加えて動力は電気ではなく空気が上昇する力を利用します。エアレーションを接続して空気を送りだす力で水を押し出し、押し出された水と同等の水を側面から吸い込み、その水の循環の際にフィルターを通させることで水をキレイにします。タイプによっては砂利に埋めることでろ過能力を増すものもあります。底面の一角を使ってしまうので底面に住むウーパールーパーにとっては若干邪魔になるかもしれません。
「外部式」水槽外の離れたところにフィルターを置き、水槽との連結は専用のホースを使います。掃除やメンテが容易なタイプが多くなっています。上部式と同様にスペースを自由に使えるのでろ材を色々選べる点もメリットが多いです。値の張るものが多いですが、その分ろ過能力に優れています。
「底面式」底面の広い領域を使ってろ過を行う方法です。投げ込み式と同様にエアレーションの力で循環させるタイプと、ポンプの力で循環させるタイプがあります。ろ過能力は底面に敷いた砂利やソイルなどの量や質によって異なります。水槽内には多少の突起が出るのみなので邪魔するものも少ないです。最近では上部式や外部式と連結させるタイプもあり、相互補完するケースもあります。
壁掛け式も安くなっていますが、エアレーションも必要になってくるので、コストパフォーマンス的には投げ込み式といい勝負です。水が落ちることで水面を揺らす上部式であれば、容残酸素量(酸素が水に溶け込んでいる量)を増やせるのでエアレーション効果を期待できますが音が少し大きくなります。ベアタンクと呼ばれる底面に砂利などを何も敷かない飼育方法がラクなので底面式も考えどころです。もしご予算があるのであれば外部式フィルターをお薦めします。