取り返しのつかないタイミング

ウーパールーパーにとって一番つらいのは衝動買いをされることではないでしょうか。もしもウーパールーパーを既に飼っていて、すべての環境が整っているようなら、先輩ウーパールーパーにちょっと間借りさせてもらえればいいのですが、何の環境もできていない状態で連れてこられるのはとても危険です。

水槽をセッティングすることを「水槽を立ち上げる」といいます。水槽に水を貯めるだけとお思いになるかもしれませんが、必要な道具を一式揃えて、それらを使える状態にまで準備をしてから水を入れて、そこから「ただの水道水」を「ウーパールーパーの住める水」にしていきます。

その「住める水」にするにはとても時間がかかります、急がずゆっくりじっくり立ち上がっていくイメージです。もし既に立ち上がってる水が手元にあれば、そちらを拝借することで少し早くなりますが、この水づくりは焦らず行うことがとても大切です。

「ウーパールーパーの住める水」ってなに？とお思いになると思います。それはろ過のために働いてくれるバクテリア達がいる状態の水のことです。「生物ろ過」はバクテリアの力を使って水をきれいにする方法で、ウーパールーパーが生きることで発生させてしまう、体に有害な成分（アンモニア）を、より有害ではないものに変換してくる能力です。水道水の中には存在しないそのバクテリアを発生させ維持するまでにはとても時間がかかるのです。

現在はバクテリアそのものが販売されていますので、全くの0の状態よりは早く水を作ることが可能ではあります、高いものですと1日で導入も可能ですが、それでもきちんと安定するまでには1週間ほどかけた方がいいと思います。パイロットフィッシュ（メダカなどの生物）を泳がせて安全性や水の安定を早めることも方法の一つです。

それらを踏まえると、ウーパールーパーを衝動買いで水槽と一緒に飼って帰ってしまうのがウーパールーパーに与えるストレスが大きいことをご理解いただけましたでしょうか。もし事前に危険性を知っていて、お店の人に相談ができるとしたら、水槽が立ち上がるまで1週間ほど預かってもらうのもいいかもしれません。

購入のタイミングはまず水槽を飼っておき、何もいない状態で動作を確認してから、しばらくその状態で維持し、ウーパールーパーを迎えてあげてください。